和泉光一シェフ・菅又亮輔シェフ インタビュー

先日、クオカスタジオで開催しましたレッスンにご登壇いただきました、和泉光一シェフと菅又亮輔シェフ。今、乗りに乗ったお二人のシェフに、お菓子作りに対する考え方や思いをお伺いしました。インタビューでは、ここでしか聞けない貴重な話も飛び出し、お二人の会話も盛り上がりました!

菅又シェフ&和泉シェフ インタビュー

■和泉光一シェフ(左):1970年愛媛県生まれ。東京・調布の名店、「サロン・ド・テ・スリジェ」のシェフ・パティシエを長年務め、2005年にはワールドショコラマスターズの日本代表として出場し総合3位。2012年に「ASTERISQUE(アステリスク)」をオープン。

■菅又亮輔シェフ(右):1976年新潟県生まれ。高校卒業後お菓子の世界に入り、26歳で渡仏。フランス各地で3年に渡って修行。帰国後、ピエール・エルメ・サロン・ド・テにてスーシェフを務める。今秋、用賀に「RYOURA(リョウラ)」オープン予定。

cuoca
クオカスタジオでのコラボレッスンは今回が2回目でしたが、いかがだったでしょうか?

菅又シェフ
一般の消費者の方と公開レッスンという形の距離感でお話ができた、いい時間だったと思います。

菅又シェフ レッスン風景

特に積極的な質問が多くみなさんの熱さに驚きました。
ある程度お客様からの質問があるという想定はしていたのですが、マカロンは再現性が難しいお菓子なので、一概にこれが正解ですとは言えない難しさは感じましたね。

材料や環境が少し違うだけでもポイントは変わってきます。そういう意味でレッスン内容のポイントをうまく拾っていただき、ご自身の作り方に生かしてもらえれば嬉しいです。

和泉シェフ
僕は、普段からお客様に限りなく近いところにいるのですが、こういう形式でお客様と向き合うことは、いつもと違う新鮮な気持ちになります。
今の自分が感じていることを改めて考えるきっかけにもなり、僕にとっても勉強になりました。

和泉シェフ レッスン風景

菅又シェフと同様に僕の作ったシフォンケーキの場合も、これが正しいレシピですということではなく、ひとつの作り方をお見せしたに過ぎません。
いうならば、新しいレシピや手法と出会えるきっかけ。そんなレッスンだったかと思います。

cuoca
レッスンでは菅又シェフにはマカロン、和泉シェフにはシフォンケーキという、どちらもメレンゲを生かしたお菓子をお作りいただきましたが、それぞれポイントはどういうところでしたか。

菅又シェフのマカロン

菅又シェフ
生地温をしっかりと把握することですね。
僕自身、感覚で分かる部分も多く、あまり数値で決めつけるのは好きではないのですが、一般の方が感覚だけで作るのが難しい場合、しっかり計って数値化することで失敗することが少なくなります。

もちろん湿度や気温によっても変わるので一概には言えませんが、ある程度の範囲を数字で知って把握しておくだけでも全然違ってきます。

和泉シェフのシフォンケーキ

和泉シェフ
シフォンケーキの場合、レシピも作り方もいろいろな方法があり、比較的簡単にできそうですが、失敗することも多く悩みや工程も多い。その中で、一つでも工程を減らせないか?というところから入りました。そうすれば失敗する可能性も少なくなるわけです。

今日のレッスンでは、材料の特性を知ったり生かすことで、一般的に必要とされている工程を省いてもこんなおいしくできますよ、というポイントがお伝えできたかと思います。

cuoca
そのレッスンでも作っていただいた和泉シェフの小さなシフォンはかわいすぎますね!

小さなシフォンケーキ

菅又シェフ
このかわいさはずるいですよ(笑)
小さなお子さまがいらっしゃる方には、誕生日とかにもってこいのサイズ感。
手作りすれば変なものも入っていませんし…やわらかくてフワフワしていて…
絶対おいしいじゃないですか(笑)

和泉シェフ
ありがとうございます(笑)
店でもこのサイズのシフォンケーキは多くのお客様に支持されていますね。
買って食べるにしても作るにしても、このボリュームなので気軽に楽しめるんだと思います。

cuoca
今日のレッスンでは、作りやすさ、失敗をしないという点に焦点を当て、2人のプロの技を解説いただいたわけですが、使用した材料や素材についてはいかがでしょうか?

フルティエールのピューレ

菅又シェフ
今回のレッスンではラ・フルティエールのピューレを使いました。
このピューレは、フルーツの良さを上手に加工しているものなのですごく使いやすいです。自分でいちから作る手間を考えると、とても重宝しますね。

さきほどの和泉シェフの話にも出てきましたが、すべての工程をいちから全てやろうと思うと、時間も手間もかかりその分失敗するリスクも増えるわけで…

和泉シェフ
そうですね。限られた時間や手間の中で、いかに失敗せずおいしいものを作り出すかというのは、僕達シェフに限らずご家庭でのお菓子作りでも同じことが言えると思います。
ラ・フルティエールのピューレは単に使いやすいだけではなく、素材感の強さが際立っているので、ピューレとはいえ味の濃厚さは果汁そのもの。
だから私の店のアイスにもこのピューレを使っています。

cuoca
着目点、工程、素材など、一般の方でもいかに失敗せずにおいしく作れるかというヒントが盛りだくさんで、参加者の皆様も存分に楽しまれた様子でした。
ありがとうございました。

ところで、菅又シェフは今秋にお店を出されるとお伺いしていますが、今注目している素材などはありますか?

菅又シェフ

菅又シェフ
注目というか、使い方に悩んでいる素材の一つがメープルシュガーですね。
同じスポンジ生地でも、メープルシュガーが入ったものとグラニュー糖で作ったものとでは、弾力とボリュームが異なります。糖の質だと思うのですが、メープルシュガーのほうがしっとり感が増す気がします。すごく口溶けがよくて、あとボリュームもあがる。それがなぜなのかは分からないのですが、あの「しっとりさ」が不思議で。
でもメープルシロップ特有のエグみが残るのが悩みだったりします。

cuoca
なるほど。クオカでも、レッスンのレシピを開発するときにメープルシロップの使い方には手を焼くと講師陣が話しています。

和泉シェフ
僕もいろんな「しっとりさ」を追求した時があって、その時に発見したことがあるのですが…

菅又シェフ
な、なんですかそれ!ぜひこっそり教えてください(笑)

菅又シェフと和泉シェフ

和泉シェフ
その時に辿り着いたのは「ミント」。
ちょっとした手順でミントを加えることによって、あのエグみが消える。仕上がり時にミントは感じませんが、甘さのキレが増す感じです。

菅又シェフ
うぁーーそれはすごい!!
メープルシロップって入れきらないと味が出ない。でもしっかり入れるとエグみが残る。いままでは、その残ったエグみをカバーするためにバニラやキャラメルで逃げていたんですが、でもそうすると糖度が増えるので重たくなって食感が変わってしまうんですよね。べたつきすぎたりして理想の食感が出ない。
これはいいこと聞いちゃったなー(興奮)

cuoca
思わぬところで2人の話が盛り上がっていますが、和泉シェフの注目されている素材は何かありますか?

和泉シェフ

和泉シェフ
最近はいろいろな粉をよく触っていますね。強力粉の使い方、外国産と国産の違いとかを探っています。

cuoca
薄力粉ではなく、強力粉なんですね?

和泉シェフ
お菓子って基本薄力粉ベースですが、そこに強力粉を加えることで今までにない口溶けであったり、食感を出せればおもしろいなと。

cuoca
では最後に今後の目標などをお聞かせいただければと思います。

菅又シェフ

菅又シェフ
今秋に新しい店を出すので突っ走るだけという感じです。
自分のやりたいことすべてを店に投影するというよりか、店を出す場所やお客様とケーキを通じて対峙しながら、需要があるものを作りつつ、きちんと自分の個性を出していくというのが一年目の目標です。
あとは、労働時間が長すぎない環境づくりですね。多分これは、始める前から決めておかないと実現しない気がするので、今からその方向性をスタッフとも共有し一緒に向かっていく体制を整えようとしています。

和泉シェフ

和泉シェフ
僕の方は店を出して3年になりスタッフも増え、ある程度軌道に乗りました。
菅又シェフが言われた店の環境づくりは、5年計画で今まさにリアルに取り組んでいるところです。人も元気がないといいものが作れない。スタッフの働きやすい状況を作り、その中でいいもの作り出していける環境が、この3年でようやく整ってきました。

店づくりもお菓子づくりも、あくまでも自分自身が純粋に作りたいと思うものを追求しているので、今後もこのスタンスを変えずに進んでいきたいと思っています。

「お菓子づくり」という決して甘くはない世界で、ご自身の明確なビジョンをもって
ものづくりに邁進されている純粋な姿が、とても素敵なお二人でした。

菅又シェフと和泉シェフのシェフインタビュー

クオカスタジオでは、様々なレッスンを開催しています。
お菓子作りに興味のある方や、作ったことはあるけど自信のない方など、どんなレベルの方でも参加できる多彩なレッスンをご用意。
しかもすべて単発のレッスンで入会金も不要です!

プロのレッスンを受けてお菓子作り特技にしてみませんか?
皆様のご参加をお待ちしています!

http://studio.cuoca.com/