名店「ブノワトン」へ

ブノワトン何年か前からずっと行ってみたいと思っていたパン屋さんがありました。
お店の名は「ブノワトン」、神奈川県伊勢原市にある有名なお店です。店主・高橋幸夫氏は国産の小麦にこだわり続け、ついには地元の小麦を使ってパンを焼こうと湘南小麦プロジェクトを立ち上げ、地元で栽培された大切な小麦を自ら石臼で挽いて粉にしパンを焼くという偉業を成し遂げていらっしゃいました。
国産小麦をこよなく愛する私にとって、とても気になるお店でしたが、なかなか行けないまま時が過ぎ、昨年の夏、突然高橋氏が急逝されたという悲しいニュースを知りました。そして、今年の3月で閉店するとの話も。

先週末、ようやくその「ブノワトン」に行ってきました。
写真では何度となく見た店構え、看板、オブジェ。お店に着いたのはお昼過ぎでしたが、店内はお客さんでいっぱいです。わくわくしながら棚を見ると、そこには手書きのポップではるゆたか、ニシノカオリなどなじみのある国産小麦の名前が並んでいます。どれもこれも買って帰りたい、という衝動にかられつつ、選んでみたのがこちらです。
収穫バゲット「収穫バゲット」、これは石臼挽き湘南小麦を使ったバゲットです。美しいクープ、きれいな小麦色、軽くあたためて食べてみると、「ああ、おいしい」。フランス産小麦の「うわっ、すごい」という濃厚な味の強さとは違うのですが、かみしめながら、何度も静かに「おいしい、おいしいね」と繰り返してしまうようなしみじみとした深い味わいでした。皮はバリッと厚いのに歯切れがよく、クラムはふんわりやわらかく軽い口当たり、バターをつけるとさらにパンの旨味が引き立ち、いつものバターまでがおいしさを増して感じます。とにかく粉の味を塩や酵母など他のすべての材料がひきたてているような。なんだろう、これは。
「ニシノカオリのカンパーニュ」、これは地元平塚でとれたニシノカオリと天然酵母で作られているそうです。少し酸味があって、クラムはしっとり、水分をしっかり抱き込んでいます。こちらはコールスローをのせていただきましたが、具材をのせてもしっかりパンの味がしていました。湘南小麦とはまた違った味、食感でもちろん、とてもおいしい。

ピーカンとバナナ、石臼引きのはるゆたかとメープルシロップのロールパン、黒みつとクルミのハードロール他に写真左から、ピーカンとバナナ、石臼引きのはるゆたかとメープルシロップのロールパン、黒みつとクルミのハードロール、表の看板にあったお好みキャベツ焼きもいただきました。
どれも、みんなそれぞれに素材の味をしっかりと感じるパンばかりでした。粉はもちろん材料のひとつひとつが大切にされ、魅力を引き出されているようでした。
もっと早く行けばよかった。そして、また行きたい。クロワッサンやブリオッシュなど今回売り切れてしまっていたパンを求めて、またきっと走ります。

パンを入れていただいた袋に、故高橋氏の後ろ姿と思われる写真とともにこんなメッセージが記されていました。最後に、パンを入れていただいた袋に、故高橋氏の後ろ姿と思われる写真とともにこんなメッセージが記されていました。
「1分間に12回転。これが最良の結果を生み出す。風・水・家畜、昔はこれらの力を使い石臼をまわしていた。今日、電動になったとはいえ気の長い作業が続く。今ではそれがこだわりと言われている。シンプル・イズ・ベスト、ブノワトンは本来あるべきパン創りを地道にこなしているにすぎない。」
今の私には小麦を挽くところからはできません。
が、せめて出会った粉を大切に、ていねいにおいしいパンを焼き続けていきたい、と素直に思った一日でした。

****************************************
今週のおすすめ商品!
熊本県産強力粉(ニシノカオリ)1kg
出会ったことのない濃厚な旨みに驚くはず!
個性あふれる強力粉です♪
****************************************