

さて、はじめに前回の『まずはガトーショコラ!』のその後を。
パティシエールからいただいた貴重なアドバイスをもとに振り返ってみると、なるほど私の使ったレシピは卵の分量が多かったようです。そのせいでスポンジのような軽い食感だったのですね。そして、翌日、翌々日と時間が経つにつれ、本当にしっとりとして、おいしくなっていきました!こんなにも違うものとは。ひとまず成功といえそうですが、今後も自分好みのレシピをさらに探求していきたいと思います。これもまた、奥の深いケーキ、ガトーショコラの醍醐味ですね。
それではいよいよ今回の本題へ。
「おうちで一緒に」というテーマをつぶやきながらレシピを読みあさっていたとき、これだ!と見つけたのがチョコレートのスフレ。焼きたてのスフレは、オーブンから出すとあっという間にしぼんでしまう儚いスイーツ。こればかりはラッピングしてプレゼントするわけにもいきませんから、まさにテーマにぴったり!
さっそくスフレに合うチョコレートを吟味します。ほとんどのレシピにはカカオ分の高いものをと書かれているのですが、私にはどうしても使いたいチョコレートがありました。それは「MICHEL CLUIZELマンガロミルク」。ミルクチョコレートでありながらカカオ含有量が50%と高く、甘みと風味のバランスがとてもよいスタッフにも人気のチョコレートです。しかし、初挑戦のスフレではやはり不安。そこでもうひとつ、カカオ分66%の「VALRHONAスイートフェーブピュアカライブ」も使い、2種類を食べ比べてみることにしました。贅沢!
卵黄にグラニュー糖と粉類を混ぜ、沸騰した牛乳を加えて火にかけて、となんだかカスタードクリームを炊いているような手順。これで本当にスフレになるの?と思いつつ、ゆるく固まった熱々の生地を2つに分け(目分量、かなり適当です)、それぞれのチョコレートを投入。今回は、チョコレートを刻む、湯せんで溶かす、という作業がないので、なんだかとても楽に感じます!それらを今度はラップに広げ、密封して冷まします。あとはこれに泡立てた卵白を入れて焼けば完成。
思ったより簡単?なんて思ったのもつかの間、ここからが大変でした。繊細な泡をつぶすまいとあわててしまい、2つの生地を同時進行しようとしたがために、逆に卵白がみるみる緩くなっていってしまいました。あわわ、これはまずい...しかし、後戻りもできません。キッチンから寄せ集めた、大きさも形も様々のココット型たちに急いで生地を入れていきます。ここでのポイントは表面をすりきるように平らにし、ふちの部分をきれいに拭うこと。これもまた、やってみるとなかなか大変で、手は卵白&チョコまみれ。
やっとオーブンに入れたものの、ふくらむどころか微動だにしないスフレ(になる予定のモノ)たち。指定の温度、時間で焼いてみた結果はごらんの通りです。なんと無惨にも決壊。[写真上]しかし、一度オーブンから出したにも関わらず、指定の温度+20℃、時間も延長してそのまま強引に続行!最終的になんとか膨らんでくれました。もはや根性![写真下]
スプーンを入れてみると、薄い膜を感じたあとに、シュワッ、とろんという感触。食感はスフレというよりムースのようでした。まだ焼きが足りないのかしら??
そして、2種のチョコレートの違いはやはり歴然です。マンガロミルクでは味がぼやけてしまっています。うーん、予想はできたけど、残念。では逆に、ミルクチョコレートに向いているスイーツって何でしょう?
指摘していただくところが多々ありそうな今回、きびしいご意見をお願いします。そして、そもそもスフレは「おうちでバレンタイン」に向いていたのでしょうか?もしかして、上級者向けですか?(いまさらですが)材料だけ見ると、特別なものがいらないので、おうちでささっと作れたら素敵だな〜と思うのですが、難しいですか?
【パティシエールのワンポイントアドバイス】
はじめて挑戦したスフレで2枚目の写真のようなのが作れたら、私なら「大成功!」と思ってしまいますね。みなさん本当に研究熱心だなぁと感動してしまいます。メレンゲのお菓子は段取りが命ですから、確かに一度の作業でふたつ仕上げるというのは困難だったことでしょう。せっかく泡立てたメレンゲが沈まないうちに混ぜ合わせ終えられるよう、次回は落ち着いて1種類だけに集中してやってみてくださいね。
なかなかふくらまなかったのは、やはり泡が潰れてしまったからという理由が大きいと思うのですが、メレンゲを泡立てたとき、どのような状態だったでしょうか?泡立て器を引き上げたとき、角がひょろりと垂れて落ちてしまうようであれば、泡立て不足。また、角がぴんと立つのではなく、モロモロとした固まりになってしまうようであれば、それは泡立てすぎの印です。シフォンケーキなどのお菓子も同じなのですが、ハンドミキサーのような機械でメレンゲの泡立てを行うと、らくちんなだけに時々泡立てすぎてしまうことがあるので注意が必要です。泡立てすぎたメレンゲは固くてなじみにくく、混ぜても混ぜてもダマになって残ってしまいます。しなやかな角が立つメレンゲならばなじみやすく、混ぜる回数も少なくてすみますよ。過去にご紹介した「メレンゲ特集」も、参考にしてみてくださいね。
また、天板いっぱいに型を乗せてしまったため熱の通りが悪かったことも、仕上がりに影響しているかもしれません。できれば型の大きさを揃え、天板に熱気の通り道ができるように並べてみてください。
スフレは確かにコツの必要なお菓子ではありますが、メレンゲさえマスターすればこっちのもの。こんなにふんわりふくらむんだ!という驚きもあって、「おうちで一緒に食べる」にはぴったりではありませんか?沈まないうちに!と試作品を持って走ってきてくれた姿はとても感動的でした!
もう1点、「ミルクチョコレートに合うお菓子」について。そのまま食べて「おいしい!」と感じられるのがミルクチョコレートの良さだと思いますので、そのままに近い味わい方ができるものが個人的にはおすすめです。今バレンタイン特集でご紹介している「キャラメル・トリュフ」や生チョコ、ナッツとからめた「ロッシェ」なども。他の素材と組み合わせやすいチョコレートでもありますから、ぜひいろいろ試してみてくださいね。

